鉄粉の付着

危険レベル★★☆☆☆

鉄粉は線路の側や工場の側での被害が目立ちますが、そういった特殊な場所でなくてもどこでも飛んできます。車のブレーキ粉は道路さえあれば発生しウジャウジャ漂っているのです。これが塗装の上に落っこちてやがて錆びたりしてくると、どういうわけかくっ付いてしまいます。これが鉄粉付着です。粘土などで除去するのは簡単ですが小さい窪みがいっぱい残り、その後の塗装面は著しく痛みやすい状態になってしまいます。

原因

おことわり:下記は『GFコート物知り道場』に丁度良い記述がありましたのでそのまま一部を持ってきました。言葉の意味など解らない部分のある方は先にそちらを読むと良く解ります。『太陽マスターズ』が実際に太陽ポリマーをやった上での『実戦編』であるのに対し、『物知り道場』は『理論編』です。

鉄粉が付着するまでのメカニズムを順をおって箇条書きにしてみましょう。(1〜8) そして、もし太陽ポリマーが塗ってあったらという場合の想定も書いて見ました(9〜11)

  1. 鉄粉が飛んできて塗装面に乗る
  2. 鉄粉がどんどん錆びる(酸化する)
  3. 酸化パワーは回りの物にも広がろうとする
  4. 鉄粉直下の塗装面 (とりあえず一番近い)が酸化攻撃を受ける
  5. 酸化する物質で出来ているので酸化し始める
  6. 上で鉄粉、下で塗装(あるいはコーティング被膜)がグチュグチュ酸化
  7. 酸化しているもの同志は『酸化共鳴』という現象を起こし、混ざったようになる
  8. 結果として鉄粉が塗装に食い込んだ(刺さった?)ように見える⇒鉄粉付着
  9. ところが鉄粉直下の塗装面 が『太陽ポリマー』でおおわれていたらどうなるでしょう?
  10. 鉄粉の酸化パワーは移り広がることが出来ません(相手が酸化しないから)
  11. 結果的に鉄粉は勝手に錆びるだけで食い込む(刺さる)ことが出来ません。そしてある日洗車の時などに流されてしまうわけです。
  • 家が火事になる(酸化する)と、となりの家にも燃え移り、今度はとなりの家も火事になってしまいます。ところが、となりの家が不燃物で出来ていたらどうでしょう?最初の家だけが勝手に燃え尽きて終わってしまいますね。太陽ポリマーはこの場合の不燃物にあたるわけなんです。ちなみに『酸化』という言葉は共通語で鉄が酸化することを錆びる・木が酸化することを燃える…というように各物質ごとに色々表現されます。腐食・腐る・緑青が吹く(銅の場合)などもその一種です。
  • 昔は太陽熱で車が熱くなると、塗装の目が開いて鉄粉が食い込むという理論も有りましたが、これはあまり信ぴょう性がありません。これが本当だったら、夏など車が熱い時に夕立でも降ったら、水(鉄粉の入るほどの隙間だったらドバドバ流れ込む?)が染み込んで車が錆びてしまいます。

二次的弊害

鉄粉が付着するとザラザラして非常に塗装面の触感を悪くしますが、それは鉄粉弊害の一部に過ぎないのです。鉄粉の食い込んだ塗装面は24時間常に酸化攻撃(それも表面だけでなく食い込んだ部分から立体的に)を受け続けることになりますから、酸化劣化の進行速度は平常時と比較して加速度的に速くなります。

つまり、塗装のヒドイ色あせ・ヒドイ艶引けをともなった酸化被膜におおわれまくった輝きの無い車への最短距離をひた走ることになってしまいます。

仮に粘土などで除去しても、鉄粉が食い込んだ跡がたくさん残りますから、酸性雨他の攻撃を立体的に受けるリスクをしょってしまったことになり、どうやってもその後の痛みは普通より進行速度が速くなってしまいます。最悪サビにつながる事も無いとは言えません。

※酸化する材質で出来たワックスやコーティング剤をこの窪みに詰めてしまうことも、その後の保護という観点から見るとあまり得策ではありません。

付かないようにする対策

太陽ポリマー他、酸化しないコーティング剤で守りましょう。

付いてしまった場合の対策

粘土や・鉄粉除去剤で取るしか方法はありません。
※取った後は太陽ポリマーなど酸化しないコーティングで保護しておく事をお勧めします。

太陽ポリマーの場合(クリスタル5・GFストロンガー等他のGFシリーズも同じ)

太陽ポリマーは鉄粉のサビで酸化させられてしまうほどヤワではありませんから、被膜はほとんどサビの影響を受けません(酸化共鳴しないということ)。当然塗装に鉄粉が食い込む(刺さる?)という現象は起こりません。←出来の良い太陽被膜でちゃんとおおわれている前提です。

例外(300℃以上の熱い鉄粉)を除けば太陽ポリマーあるいはそれを突き破って塗装に鉄粉が食い込む(刺さる?)ことはありませんが、被膜の表面に単純付着(ペタっとくっ付く)場合があります。
これは鉄サビが乾く時に丁度糊のような役目をして(ベタベタのものがくっ付くのの延長線上の原理で)付着してしまう場合です。
大概は洗えば、こすれて落ちてしまうのですが、(塗装面という性格上そうそうゴシゴシはしにくいこともあり)中には洗っただけでは落ちなかったという場合も実際にはあり得ます。この現象を意味の違いを考えずに(あるいは知らずに)そのまま受け止めてしまうと『鉄粉は付きにくいけど、少しは付いちゃう!』ということになってしまいますが、はたしてそうでしょうか?

太陽ポリマーをなるべく『たいしたこと無い』と思いたいならともかく、自分の愛車に『なるべく効果のあるものを塗りたい』と考えるカーオーナーなら、『付くには違いない!』とばかりに一緒には出来ないはずです。弊社の唱える『太陽ポリマーは鉄粉付着を防ぐ』というキャッチフレーズはこの事も含めてのもので、『そんなのは鉄粉付着の内に入らない(食い込んでない。被害も受けて無い。)』という考えに基づいています。

『ペタッ!』と『グサッ!』を絵にすると上図のようになりますが、この違いは大きいと思います。(この絵はやや大げさで本当に刺さってるように見えますが、実際には一体化して食い込むように強烈にくっ付いているわけです)

例えば粘土で取ろうとしてみると一発でその違いがわかります。『ペタッ!』の方は粘土が太陽被膜の上を何の抵抗も無くツルツルと軽やかにすべり、鉄粉は一つ残らずどいていくだけです。押しつける必要もありません。一方『グサッ!』の方はというと、粘土のすべりも悪く、重い感じで、鉄粉は中々取れず粘土が鉄粉の上を通過してしまうほどです。もちろん押しつけないと取れません。やった事のある人なら実感できるのではないでしょうか。

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